ハイヤー会社に転職して間もなく2年、研修が終わり営業所に配属されて1年半が経過しました。
入社前はネットで業界のことを調べたり、研修中に教官や先輩から実際の業務についてからのことを聞いていて、不安に思っていたことがたくさんありました。
しかし実際に業務について1年半が過ぎた今、「想像していたより良かったこと」も沢山ありました。
これからタクシー・ハイヤー業界を目指す方の参考になればと思います。
ハイヤーに転職してみて感じた...「想像していたより良かった12のこと」
① 道がわからなくても、なんとかなる!
正直、地理には少なからず不安がありましたが、意外になんとかなります。
まず、タクシーの場合は次にどんなお客様が乗ってくるかわからず、当然行き先もわからないので、なんとかなりません。
しかし、完全予約制のハイヤーの場合、次に乗せるお客様がどんなお客様なのか、また目的地がどこなのか予めわかっています。
行き先が前日にわかっている場合もあります。
ですから、出発地からの目的地までのルート、目的地のビルや施設に車寄せが「ある・なし」や、入り方まで下調べが出来ます。
グーグルマップのストリートビューで調べれば、曲がる際の目印や付近に待機出来る場所あるか無いかや、ねぎぼうず(300円の路上駐車場)があるかないかまで調べることができます。
いざとなれば、ナビもあるし地理の不安はそんなに心配しなくても大丈夫です。
② 「家に帰れない」と聞いていたが...そんなことなかった
「家に帰れない日も多いぞ」と聞いていたが、毎日帰っています。
これは自分が働きやすい取引先の専属担当になったということもありますが、日勤で働けば、泊まり勤務の人達がいますので「家に帰れないことがちょっちゅう」ということはないです。
ただし、繁忙期は多少の覚悟が必要です。
③ 親切な先輩方が多い!
配属当初は、先輩達はみんな強面で(見えていただけだと思いますが)、営業所自体が地下にあるせいか暗~い雰囲気が漂っていて、しかも圧倒的に男が多い職場で、新人を受け入れる感じとは程遠いイメージでした。
しかし、いざ一緒に仕事をして、道や施設のことなど分からないことを聞くと、親切に色々教えてくれる気さくな先輩が多いです。
近寄り難い...と思わずにどんどん懐に飛び込んでいく方がいいようです。
④ お客様がスマートで優しい方が多い
タクシーでもそうでしたが、お客様はみな紳士でジェントルな方がほとんどです。
もちろん中には...という場合もありますが、それはどのサービス業でも同じことが言えることだと思います。
酔っ払いを乗せることが多いタクシーの方が、理不尽なお客様に当たる確率は高く、意外にもヒステリックなモンスターは女性に多かったです。(タクシーはお客様が乗っている時間が短いので、スグにリセットできます)
これは同僚達全員が言ってましたが、モンスター系のお客様は特に若い女性に多かったです。
それに比べてハイヤーに乗るお客様は、男性がほとんどでそれなりの身分や役職の方なのでタクシーとは比べ物にならないくらい客層が良いです。
⑤ 繁忙期は意外に稼げる
ハイヤーの繁忙期は、ゴルフ送迎仕事が多い春と秋です。
担当する仕事にもよりますが、自分の場合は2年間で月の支給額35万円越えが9回、40万越えも2回ありました。
ただし、仕事ですから「稼げる」ということは「忙しい」ということです。
タクシーの場合は乗せるお客様が増え、走る距離が多くなりますが、時間で稼ぐハイヤーの場合は、残業時間と休日出勤が増えるということになります。
⑥ 体が楽
デビューして、1日の平均走行距離は50~60キロ程でした。
全く走っていない、1日中待機で終わりの日も何日かありました。
1日250~350キロ走るタクシーと比べると体はかなり楽です。
しかも、ハイヤーは基本的に高速道路を使いますので、タクシーとは比べ物にならないくらい体は楽なのです。
⑦ 空き時間が沢山ある
1日平均50~60キロしか走らないのですなら、当然待機時間が沢山あります。
待機している時間はテレビを観たり、読書をしたり、睡眠を取ったり、自由に過ごすことが出来ます。
ドライバー毎に過ごし方は様々ですが、株トレードしたり、熱心に資格取得の為に勉強している人などもいます。
自分はもっぱらこのブログを書いています。
⑧ たまにお小遣いを頂ける
チップを頂ける機会は、現金のやり取りがあるタクシーの方が圧倒的に多いです。
「お釣りはいいですよ」というやつですね。
現金のやり取りがないハイヤーでも、お客様から「待たしちゃって悪かったね」などと稀に寸志を頂ける時があります。
料亭などにお客様をお送りした際等に、お店側(元は接待をしている取引先)から頂けるケースもあります。
⑨ たまに食事をご馳走になれる
タクシーでもお客様と仲良くなると「ラーメン一緒に食べよう!」なんてことも稀にありますが、食事をご馳走になる機会はハイヤーの方が圧倒的に多いです。
食事をご馳走になったシチュエーションは大きく分けてふたつあります。
① 乗せている役員さん(お客様)からご馳走になる場合
ゴルフ送迎の際にお客様から「お昼はサインで食べといて!」というケースが一番多いです。
② 乗せている役員さん(お客様)の取引先の会社などからご馳走になる場合
お送りした役員さんが会議などで子会社を訪問した時や、取引先との接待で会食に行った時など...「運転手さん、お食事ご用意しております」なんていうケースもあります。
⑩ めったに行けない所に行ける(入れる)
空港のVIP用の出入口や、省庁、首相官邸や皇居の中など、自分のような一般ピープルは一生行く機会のない場所へ行く機会があります。
まあ、行けるだけですけど(笑)
また、芸能人や、スポーツ選手、大企業のトップの方とお目にかかれたり、少しですがお話することもあります。
⑪ 最新の高級車に色々乗れる
担当が決まってしまうと、担当車以外のクルマに乗る機会は減りますが、それでも色々乗れて楽しいです。
レクサスLSやクラウンなどの黒いセダンか、アルファードなどのワンボックスばかりですけど。
⑫ 職場の人間関係で一切苦労しない
ハイヤードライバーには(タクシーも)普通の会社の様に、課長がいて、部長がいてみたいな縦のラインがないのです。
配車係(デスク)がいて、あとは横一線にドライバーがいるだけです。
ドライバーの労務関係を管理する人事系の人達と、営業の人達、あとは責任者の所長や支店長がいるだけです。
ですから、意味のない指示ばかり出す自分の保身しか考えていないアホな上司もいないし、何度言っても出来ない使えない部下もいません。
ドライバーの先輩後輩でも給料が大きく変わる訳ではなく、先に入った人、後から入った人のような感じです。
会社特有の面倒な人間関係は、ほぼ無いのです。
付き合いと言えば、仲良くなった気の合うドライバー仲間とたまに飲み行く程度だけです。
それすらイヤな人は行かなくても何の問題もない、気楽な職場と言えます。
まとめ
「きつい」と言われるハイヤードライバーの仕事ですが「意外にいいな」「楽しいな」と思えることも沢山あります。
いいことばかり書いてもなんなので、「こんなはずじゃなかった9のこと」ことも合わせて読んでみて下さい(笑)